ワンコ - Dog

股関節脱臼 – おウチのコ病気を知っておこう

タイプ
股関節脱臼
カテゴリー
骨・関節

ワンコのの股関節脱臼とは

股関節(こかんせつ)とは、骨盤と大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)がつながっている関節のことです。
ワンコの股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)とは、大腿骨がその関節からずれ、背中側やお腹側に完全に外れてしまったりした状態です。

交通事故などの大きな外傷や衝撃で脱臼することもあれば、小型犬などは高いところから飛び降りるなどの際に脱臼してしまうこともあります。
元々股関節に異常がある場合(股関節形成不全)やホルモン病などの基礎疾患がある場合、日常生活の中で突然脱臼してしまうこともあります。

犬の股関節脱臼
 
 

ワンコの股関節脱臼の症状

股関節脱臼では、歩き方の異常が主な症状として現れます。
ワンコの股関節脱臼の症状は、以下のようなものが挙げられることが多いです

1

足を挙げている

2

足をかばうように歩く

3

体を触ると嫌がる、痛がる

 
 

ワンコの股関節脱臼の原因

股関節脱臼の原因は、
・交通事故などの大きな外傷・衝撃
・高いところから落ちた
などが多くあります。

靱帯がゆるくなっているなど、外れやすい状態であれば、比較的小さな衝撃で脱臼を起こす例もみられます。

股関節脱臼が起きたワンコでは、脱臼が起きやすい股関節の病気や他の異常がないかもしっかり見ていくことが必要と言われています。

例えば、
・股関節形成不全
・レッグ・ペルテス病
・股関節付近での大腿骨や骨盤の骨折
・骨や関節の炎症
などです。

また、周りの筋肉がやせていると、関節が不安定で脱臼しやすくなります。
股関節脱臼の検査は以下のようなものがあります。

<股関節脱臼の検査>
・触診
・歩行検査
・X線検査
・CT検査
など

麻酔をかける処置や、脱臼を起こしやすい病気を探るために、必要であれば、血液検査や他の検査も行います。
『なんだかおかしいな』『かもしれない』でも少しでも不安を動物病院に行きましょう。
 
 

ワンコの股関節脱臼の予防方法

交通事故や落下するような状況を避けること、シニアだと筋肉をつけることで、股関節脱臼の機会を減らすことになるかもしれません。

具体的には、
・散歩中はリードをつけ、きちんとコントロールする
・散歩中、性格上突発的に興奮する状況を避ける
・高いところにのぼらせない、飛び降りさせない
 ※小型犬ではソファーやベッドほどの高さでも、高いときがあります
・落とさないようにしっかりと抱く(子供が抱くときは必ず座らせ、大人が側につく)
などが挙げられます。

そして、足を地面につけない、かばうように歩くなど、おかしい様子があれば、動物病院へ連れて行きましょう。
 
 

ワンコが股関節脱臼になってしまったら

ワンコの股関節脱臼の治療には、以下のようなものがあげられます。

<股関節脱臼の治療>

・麻酔をかけて、手で大腿骨を股関節に戻し、固定する
・脱臼整復後、外側からピンなどで固定する(創外固定法)
・関節に縫合糸やスクリューを用いて固定する
・大腿骨の股関節に入る部分(骨頭:こっとう)を切除する
・股関節を人工関節に置き換える
など

非観血的整復と観血的整復の2種類の治療法があります。手術を行わない非観血的整復では、関節をはめ、包帯を巻き、再び脱臼しな いようにします。手術を行う観血的方法では、インプラントにて関節を安定化させます。一定の割合で再脱臼が生じることがあります。

まずは手で脱臼を整復、固定して、それでも再脱臼するようなら、手術に進むことが多いです。
ただ、骨折の有無や、もともとの股関節の状態、犬の状態によって、治療法がそれぞれ選択されます。

股関節を人工関節に置き換える手術は、どこの動物病院でも行っているものではなく、整形外科の経験数の多い動物病院や専門の二次診療施設に紹介されることが多くあります。

再脱臼の可能性のある治療法や、手術で起こりうるリスク、ワンコの状態などを含め、しっかりと獣医師と相談し、治療法を決めていくことが大切です。

歩き方などにいつもと違う様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。