ワンコの膝蓋骨脱臼とは
ワンコの骨や関節系の病気の中で最も多いとされているのが膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)です。
片足を上げスキップやけんけんするような歩き方をしたとき、ケガなどのほかにも膝蓋骨脱臼を疑ってみてもいいかもしれません。
膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れ脱臼してしまう状態のことをいいます。
膝関節部の骨には滑車溝(かっしゃこう)と呼ばれる溝があり、そこに膝蓋骨がはまっています。
そして、モモの筋肉、膝蓋骨、靭帯が一列に並び、膝関節の下方(脛骨粗面:けいこつそめん)で固定されていることによって、屈伸運動時に後肢の位置(向きなど)や力の伝導を調整しています。
このように膝蓋骨は膝を伸ばしたり曲げたりする膝関節のなめらかな屈伸運動に役立っている骨で、脱臼してしまうと跛行などの症状が現れます。
トイプードルやチワワ、マルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬に多くみられ、ほとんどは膝関節の溝が浅いことが原因といわれています。
膝蓋骨脱臼の中でも膝蓋骨が内側にずれた状態を内方脱臼(ないほうだっきゅう)、
外側にずれた状態を外方脱臼(がいほうだっきゅう)
として分類されます。
初期段階では無症状の場合が多いため、見過ごされやすい病気です。
小型犬では先天性の内方脱臼が多いといわれています。